1996-10-31 [J] [長年日記]
No.6 クハ・モハ・サハ
クハとかモハと聞くとみなさん何を思い浮かべるだろうか。たいていの人は、JRの電車に付いているわけのわからない暗号みたいのを想像するのだと思う。あれって、どんな意味があるか知っている人はほとんどいないと思うが、知っていて得をすることもたまにはある。
たとえば、「クモハ」と書いてあったら、「ク」は運転台をあらわし、「モ」はモーターがついていることをあらわす。「ハ」というのは、イロハの「ハ」で、上から順に1等車、2等車、3等車のようにあてがわれているので3等車ということである。もちろん現在ではこのような分類はしていなくて、2等車-->グリーン車、3等車-->普通車に変更されているので、要するに普通車の意味である。
ここまで知っていても、たまに奇特な人が感心してくれるだけで、あまり得することはないが、ここで登場するのが「サハ」である。「サ」というのは付随車の意味で、要するに電車が走るための機能を何も持ち合わせていない。これはどういうことかというと、モーターやその他の機器がついていないので、編成中もっとも騒音が小さい車両ということなのである。最近は交流電動機の普及で電車のモーター音が不自然になりあまり評判がよくないようなので、あのテの音が苦手な人は、この「サハ」を選んで乗るとよい。ちょっと眠りたい、とか、読書がしたい、などの人にもお勧めであろう。
鉄道知識もたまには使えるという一例でした。