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1996-10-29 [J] [長年日記]

No.4 ココアから砂糖を抜いたら

最近、森永から初の無糖インスタントココアが発売された。安田成美が宣伝しているあれである。森永の宣伝といえば、小沢健二や小山田圭吾の女装CMなど最近はカルト化してきているが、あれは結構まともなCMである。ま、そんなことはどうでもいい。問題は無糖ココアである。

コーヒーはブラック、紅茶はストレートという方は多いと思うが(筆者もその一人)、ココアに砂糖を入れないという人は果たしているのだろうか?需要がある程度期待される状況になって無糖缶コーヒーが売られるようになってきたように、ココアも無糖を好む人種がいて、その需要にこたえて発売されたと思っていたのだが、どうやらそんなわけではないようである。

ココアは砂糖なしではとてもじゃないが飲めない。

私の率直な感想である。もちろん、おいしいという輩もいると思うので断定はしないが、あまりおいしくない。食物繊維はとりたいけどカロリーは控えめにしたい、という健康思考の方以外に好んで飲むひとがいるとは思えない。

なるほど、そういう人の需要を期待して商品化したものなのだろう。 そうだとしたら、買ってしまった私は馬鹿?正直に、「ストレートのココアってどんな味なんだろう」なんて思って買うこと自体、ずれていたのであろうか。もしかしたら結構恥ずかしいことなんじゃないだろうか。

とにかく、いちいち砂糖を入れなくてはいけないということは、今までより飲むためへのプロセスが一つ増えるわけで、あまり一般人にはうれしい商品ではないのかもしれない。でも、こういう商品が出たことで逆にストレートココアが見直されることもありうる。昔、イギリスでは塩を入れて飲んでいたという話を聞いたことがあるし、世の中何が起こるかわからない(間違えて塩を入れたココアを飲んだことのある人なら、あの想像を絶する味の強烈さがわかるであろう)。

私ももう少し我慢して、ストレートココアのいいところを見つけ出してみようと思う。