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2003-01-22 [J] 缶詰の日 [長年日記]

トマト湯麺

うちの会社の近所にはトマト湯麺で有名な中華料理屋がある。あえて名前は伏せておくが、よく雑誌に載っていたり、ネット上のグルメサイトにも名を連ね、挙げ句の果てにはJALだかANAだかの機内誌にまでその名を轟かすという、「有名店」である。少なくとも今現在の荻窪「春木屋」よりは話題性があるといえる。

しかしながら、昼間のランチタイム、この店はけして混んではいない。どちらかというといつでも座れてしまう店の一つで、お世辞にもはやっているとはいえないのである。

そんな店に今日のお昼、どの店も混んでいて入る店がなかった我々はその店に初めて訪れることになった。前述のように、ある程度マスコミへの露出があったこともあって、すかさず「トマト湯麺」を注文した。

食べてみての感想だけど、まずこのトマト湯麺は「ラーメン」にはカテゴライズされない。スープ、麺、具、どれをとってもいわゆる最近の傾向からはことごとくはずれていると言っていい。おそらく濃い味のラーメンになれきっている人にとっては、「味がしない」の一言で終わってしまう気がする。

ところが、この湯麺を「南方の汁そば」という定義で味わってみると、印象ががらりと変わる。以前ベトナム汁ビーフンについて力説したようなぼくの場合、そのスープは愛すべきものであった。麺については再考の余地がある気がするし、トマトについては奇をてらった具のひとつという印象はぬぐえないのだけれども、おそらく好きな人は病みつきになるんじゃないかな、という気はする。ぼくは積極的に食べたいとはあまり思わなかったけどね。